ショタコンのゆりかご・1
〜ショタと言う言葉の生い立ち〜              

傍注六:
「少年たちコンプレックス」は前述唐沢俊一の著書より。
「少年探偵団コンプレックス」は『ファンロード』84年1月号
(ラポート・84.1.1発行)〈ショタコン特集〉内にて確認。
「少年ロリータコンプレックス」「少年耽美コンプレックス」は
それぞれネット上より採録した。
実の所各語源説の初出については未だ確認が取れていない。
「少年探偵団コンプレックス」の初出については指摘した
『ファンロード』誌自体が〔某誌〕と伏せる様な表現をし、筆者も
関連しそうな雑誌誌面確認作業を随時行なってはいるが
未だ確認は取れず。伝聞の限りでは84年5月10日に放送された
ラジオ放送『谷山浩子のオールナイトニッポン』中において言及
した投稿が寄せられたらしい
との事だが。
なお、前出・唐沢俊一著作文中では「少年探偵団コンプレックス」の
存在について一切触れられていない。
唐沢当人が『筆者も以前、間違って解説した事がある。ごめん』と
述べているのが興味深くはある。
「少年たちコンプレックス」については『アニメージュ』8月号
(徳間書店・83.8.10発行)106ページ掲載の読者投稿にて
「少年コンプレックス」という類似表現に至ることが出来た。
しかしそれ以上の進展は現時点では無し。
関係各誌を筆者が確認した限りでは、当時のショタコン観と
しておおむねファンロードで提唱されたもので合意が成立して
いた様である。

 『ファンロード』84年1月号(ラポート・84.1.1発行)表紙 『ファンロード』84年1月号(ラポート・84.1.1発行)


 『ファンロード』84年1月号(ラポート・84.1.1発行)<ショタコン特集2>31頁 
 『ファンロード』84年1月号(ラポート・84.1.1発行)<ショタコン特集>


**************

※傍注六補足:
コミックマーケット二代目代表・米沢嘉博は往時を回想して

『私をコミケにつれてって!』 別冊宝島三五八
宝島社・九八年一月十六日初版


『私をコミケにつれてって!』 別冊宝島三五八

掲載の一文・「マンガと同人誌のささやかな饗宴―コミケットの
与えた影響―」(40〜49ページ)中の小項目【やおいの形成と
進撃!!】冒頭で

《女の子たちがショタコン(「鉄人28号」の正太郎コンプレックス)を
言い出したのは八三年頃で、折原みとなど可愛い絵で少年を描く
描き手たちが出、一方ではまのとのまなどによってアダルトコンプ
レックス(アダコン)と呼ばれるおじさまネタのホモパロディが登場。
一般化したのはアニメ「キャプテン翼」をネタに、やおいと呼ばれる
少年同士の愛を描くホモアニパロが人気を得た八五年頃のことで
ある。》【47ページ】

と言及している。

参考資料

『JUNE』 1993年11月号
マガジン・マガジン 93年11月1日発行

※【同人誌&コミケ◆ヒストリー座談会】132〜137ページ
・米沢嘉博(コミックマーケット代表〔当時〕)
・境京子(コミック・レボリューション代表〔当時〕)
・竹田やよい(漫画家。現在「篠田夏姫」と改名)


『JUNE』 1993年11月号


◆なお、傍注六の内容確認の為、相応時期に発行された以下の雑誌類を
参照した。(2009年12月現在・順不同)
    *    *    *    *    *
アニメージュ(徳間書店)
アニメディア(学習研究社)
JUNE(サン出版)
花とゆめ(白泉社)
ジ・アニメ(近代映画社)
マイアニメ(秋田書店)
COMIC BOX Jr.(ふゅーじょんぷろだくと)
OUT(みのり書房)
アニメック(ラポート)
COMIC BOX(ふゅーじょんぷろだくと)
FUSION PRODUCT(ラポート)
テレビランド(徳間書店)
テレビマガジン(講談社)
ぱふ(雑草社)
    *    *    *    *    *
これ等の資料のおよそ九割は2009年12月28日閉館となった
大阪国際児童文学館で閲覧したものである。この一文をもって
深く感謝したい。





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