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ショタコンのゆりかご・1
〜ショタと言う言葉の生い立ち〜              
ぶどううり・くすこ

ショタコンという言葉が生まれてから25年。
ショタコンがショタと言う形になって色々と変わった
ように感じられるものもあります。
ショタコンという言葉が生まれた頃を、少し振り返っ
てみましょうか。

今は無きラポート社から発行されたアニメ煩悩ごった
煮雑誌『ふぁんろーど』第5号(81.5.25発行)の74ペ
ージで「ショタコン」と言う言葉はポロリと生まれま
した。
『女の人が小さな男の子を好きなのはなんと言えばい
いんでしょうか』と言う相談の回答のための言葉とし
て。とりあえず、ロリコンの逆パターンを示すための
言葉として。
そのポロリと生まれた言葉にひかれた人が結構いらっ
しゃったのでしょう。
年明けて『ふぁんろーど』1月号(82.1.25発行)にて
『アニメからオリジナルまで 少年キャラ特集♪』と
言う記事がカラー見開きグラビア付計11ページで展開
されました。
そこでショタコンの語源が改めてしめされましたが、
ここで一つ認識のずれが発生したのです。
『ふぁんろーど』5号の相談の回答に『正太郎君が好き
になったショタコン云々』とありましたが回答をした
人の脳内では「正太郎君」=横山光輝作の『鉄人28号』
と言うマンガの主人公並びにそのマンガを実写化した
時の子役さん、と言うイメージがありましたとか。(傍注

ですが、特集記事で語源として紹介された「正太郎君」
はそちらではなく当時リメイクして放送されたアニメ
版(傍注二)のキャラだったのです。
実はこれは結構大きなずれなのですね。
「鉄人28号」の原作は第二次世界大戦後間もない頃を
舞台にしておりましたが、リメイク版は近未来を舞台
として設定しておりました。当然服装も少し違ってま
いります。共通しているのは半ズボン着用という一点
程度でしょう。
この二人の正太郎君の着用していた半ズボンがショタ
コンという言葉のイメージを形作ったと言うことはま
ずいえましょう。半ズボンが似合うこと=ショタコン
の条件とはっきり明言されたわけではございませんが、
一つの条件に相当する要素になったとはいえましょう。
ショタコンという言葉の生まれたきっかけはロリコン
の対義語として、というものでしたが、この特集でシ
ョタコンの対象になった少年たちにささげられていた
のは恋愛とかそう言う感情ではなく、ペットに対する
愛情みたいなものだったように筆者は思います。
そしてそう言う感情を抱いたのは女性だけではなかっ
たのですね。男性もそう言う感情を抱いていたようで
す。
『ふぁんろーど』第6号(81.7.25発行)の89ページで
男の人のショタコン感情と言うのもありだと言うやり
取りが明記されておりますから。 (傍注三
中にはショタコンの対象に対して崇拝に近い感情を持
った人もいらっしゃいました。たとえば『海のトリト
ン』のトリトンに対してささげられた感情は特別に
「トリコン」と呼ばれて別物とされておりましたとか。 (傍注四
思春期以降の男のにおいがしない男の子、それがこの
当時考えられていたショタコンというものだったよう
でございますね。

言葉を受け止める側にはいろいろな考え方を持った人
々がいます。そのいろいろな考え方が人それぞれのシ
ョタコンと言うイメージをつくりだしたようです。
唐沢俊一さんの著作『トンデモ美少年の世界』(光文
社文庫/97.10.20初版)によりますと、当時は『ふぁん
ろーど』で提示された語源以外にもいろいろと語源が
ささやかれていた(傍注五)とのこと。
ショタコンという言葉への思い入れが語源と言う形に
なってあふれてしまったのでしょう。
前の段落で少し触れましたが、ショタコンを象徴する
ものとして半ズボンがありました。そこから両極端な
連想が生まれたようです。
これは筆者の想像ですが、少年と言う集団への憧憬を
こめた連想から「少年たちコンプレックス」「少年探
偵団コンプレックス」と言う語源説が生まれ、下半身
に視点を置いた性的な連想から「少年ロリータコンプ
レックス」「少年耽美コンプレックス」と言う語源説
が生まれたのではないでしょうか。(傍注六
このように推測を交えつつ資料を並べ検討してゆくと、
ショタコンと言う言葉は発生したその瞬間からさまざ
まな嗜好を内包した言葉であったように思われます。
その内包されたものはあいまいなままで今日にいたり、
そして整理されないまま拡散されているようにも思え
るのです。
これは興味深いことではないでしょうか。
ショタコン自体があいまいだったのではなく、ショタ
コンを育むゆりかごの方こそあいまいであったと考え
られると言うことなのですから。

さて、ショタコンと言う言葉が生まれた頃を筆者の手
元にある資料を元に再構成してみました。
これからしばらくこの題の元で連載していく中で、シ
ョタコンというものがいかに育ち、一般世間とどうか
かわっていったのかを筆者のできる限りゆるやかな形
で編んでみたいと思っております。全四回予定であり
ます。
よろしければお付き合い下さい。



  『ふぁんろーど』5号(ラポート/81.5.25発行)表紙  『ふぁんろーど』5号(ラポート/81.5.25発行)

 
 『ふぁんろーど』5号(ラポート/81.5.25発行)74頁『ふぁんろーど★くりにっく』部分 同号掲載『ショタコン』初出時該当部分


 『ふぁんろーど』1月号(ラポート/82.1.25発行)表紙 『ふぁんろーど』1月号(ラポート/82.1.25発行)


 『ふぁんろーど』1月号(ラポート/82.1.25発行)掲載『ショタコン特集』9頁グラビア『ふぁんろーど』1月号(ラポート/82.1.25発行)掲載『ショタコン特集』8頁グラビア 同号掲載『ショタコン特集』グラビア部分

 
 『ふぁんろーど』1月号(ラポート/82.1.25発行)掲載『ショタコン特集』25頁 同号掲載『ショタコン特集』モノクロ頁



初出;
少年系総合同人誌即売会“ショタスクラッチ”カタログ
(2006.10.29発行)

増補改定;
ショタコンのゆりかご(暫定版)
(2007.9.16発行@CUTE☆3rd)

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